社会的インパクト評価イニシアチブ

 

「本サイトは、国内外における社会的インパクト評価に関する情報を集約したウェブサイトであり、NPO社会的企業等が社会的インパクト評価を実施する際に参考となる成果指標、事例及び最新情報などを得ることができます。将来的には、社会的インパクト評価結果を各組織が投稿できる分野横断的な事例データベースを整備するなど、より広範に活用できることを目指します」

  

(詳細はこちら)

www.impactmeasurement.jp

 

 

北ユトランドの起業家に対するソフトなビジネス支援効果の評価

 Gabriel Pons Rotger and Mette Gørtz (2009)

「北ユトランドの起業家に対するソフトなビジネス支援効果の評価」

 

ちょっとマニアックすぎる地域を対象とした研究ですが。少なくとも本研究においては、起業家に対するカウンセリングやアドバイスは、「起業後に実施したほうが効果的」「起業家の属性は関係ない」等の点が明らかになっています。

 

(概要)

  • 生存率は建設業およびホテル・レストラン部門において平均よりも高かった。
  • 生存率は、カウンセリングを受ける前に登記していた企業では高く、アドバイスを受けている間、またはカウンセリングを受けてから登記した企業の方が低い。
  • 生存率は、ビジネス・アドバイスに係る時間をフルに活用した人の方が高く、早期に終了した人の方が低い。
  • 生存率は、教育、年齢、経験または性別などの事業主の社会経済的特性によって特に影響を受けなかった。

 

(詳細はこちら)

http://startvaekst.dk/file/61893/evaluering-nin.pdf

 

 

ベンチャー政策評価の事例研究-ベンチャーファンド事業によるリスク資金供給の有効性-

石井芳明(2011)

ベンチャー政策評価の事例研究-ベンチャーファンド事業によるリスク資金供給の有効性-」

  

本当は補助金助成金の効果に関する検証が関心事ではあるものの、これはこれで興味深い。ちなみに独立行政法人経済産業研究所、通称「RIETI」は面白い論文の宝庫ではあるものの、実際これがどれだけ効果的な政策に活かされているのかは何とも言えないところです。

※参照(RIETI)

http://www.rieti.go.jp/jp/index.html

 

(概要)

  • ベンチャーファンド事業は支援先ベンチャー企業の売上や雇用の拡大に一定の貢献をし、ベンチャーキャピタル業界の育成にも効果があることが確認できた。
  • その反面、ベンチャー企業の成長促進という本来の政策目的に地域振興やバイオ産業振興など他の政策目的を追加したファンドにおいては、収益性の面で問題があることが分かった。

 

(詳細はこちら)

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/pdp/11p016.pdf

 

 

ビジネス・インキュベーションのメカニズム主導型理論

Ali Junaid Ahmad (2014)

「ビジネス・インキュベーションのメカニズム主導型理論」           

  

ソーシャル・キャピタルとか、ソーシャル・ネットワークとか、掴みどころのないものですが、現実的には、さまざまな場面で作用し、それがプラスにもマイナスにもなりうるものとして、政策や事業の成果・効果を考えるうえでは無視できない存在。

 

(概要)

  • ソーシャルキャピタル理論やソーシャルネットワーク理論などの社会的なメカニズムの観点からインキュベーション・プロセスを検証する。
  • インキュベーション・マネージャーと起業家との間にはプラスの影響を及ぼす関係性が見出され、基本的なルール、微細なシグナル、パーソナルな履歴等の相互作用により、洗練された規範的環境下において引き起こされるものである。

 

(詳細はこちら)

http://www.emeraldinsight.com/doi/pdfplus/10.1108/IJEBR-11-2012-0133

起業家精神に対する私的な資金助成:起業家になることを奨励するために個人に対して公的な資金を投入することは有効な利用か?

Thomas Åstebro (2017)

起業家精神に対する私的な資金助成:起業家になることを奨励するために個人に対して公的な資金を投入することは有効な利用か?」

 

(概要) 

  • 先進国においては、税制優遇や直接的なスタートアップ補助金など、個人が起業家になるためのインセンティブを増やす明確な理由はなく、これらの補助金を減らす議論をすべきである。

 

(詳細はこちら)

link.springer.com

 

民間企業の成長と生産性はどのように公的補助金の影響を受けるのか? 地域政策からのエビデンス

Cristina Bernini, Guido Pellegrini (2011)

「民間企業の成長と生産性はどのように公的補助金の影響を受けるのか? 地域政策からのエビデンス

 

(概要) 

  • 補助企業にいて生産、雇用、固定資産のより高い成長が見出せるが、全要素生産性の上昇率は非補助企業よりも低いことが明らかになった。
  • 長期的な生産性と成長に関するマイナスの影響は、地域における補助企業にとって、一時的なプラスの効果を減少させていると言える。

 

(詳細はこちら)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166046211000111#

 

投資補助金の有効性

Stefaan Decramer, Stijn Vanormelingen (2016)

「投資補助金の有効性」 

 

中小企業向けの補助金としては、近年だと創業補助金やものづくり補助金などが代表的。イノベーション政策の文脈にも広げると、本当に様々な補助金が中小・ベンチャー企業に投入されています。国だけでなく、地方自治体によるものも含め、伝統的な補助金政策の妥当性・有効性については十分な検証が必要。

 

以下はその参考に。

 

(概要)

  • 補助金を交付した企業においては、投資、雇用、生産等にプラスの効果が見られるが、それは小規模企業に限り見られる効果である。なお、その効果は補助金の費用と比較して小さなものである。

 

(詳細はこちら)

link.springer.com