中小企業におけるオープンイノベーションに関する文献調査

Mokter Hossain(2015)
「中小企業におけるオープンイノベーションに関する文献調査」

 

(概要)

  • 中小企業におけるオープンイノベーションのほとんどの研究では、単純な統計解析が使用されており、今後の研究では、より高度な分析手法を採用すべきである。また、中小企業のオープンイノベーションの妥当性に関する洞察力の高い知見を得るためには、縦断的研究が有用であろう。
  • 中小企業にとって、オープンイノベーションは、研究開発などの初期段階の活動よりも商業化にとってより有用である。中小企業は大企業以上に技術を保護するため、知的財産の点でより注意深くある必要がある。コラボレーションにおける知的財産の公開と保護の間で慎重なバランスを取ることが重要である。
  • 中小企業は、大企業よりも検索戦略を採用する傾向が低い。中小企業にとって、オープンイノベーションは、漸進的イノベーションよりも新製品イノベーションに関係しているのである。
  • オープンイノベーションは、いくつかの測定可能な効果において、間接的な利益をもたらす。中小企業は、研究開発とともに、顧客の要求に応え、競争力を維持するなどの研究開発に関連した活動を検討する可能性がある。外部当事者とのコラボレーションは、費用がかかり、長いプロセスである。したがって、中小企業にとって新しい経営パラダイムを採用することが必要である。
  • イノベーションには、文化、信頼、訴訟などさまざまな問題がある。しかしながら、これらの問題は、既存の文献では未解明のままである。オープンイノベーションにとって、文化的な問題をさまざまな視点から探求する必要がある。
  • オープンイノベーションのための多くの活動は、ステークホルダー間の信頼構築に依存している。どのように信頼を築くことができ、そのための主な触媒は何かを特定することが必要である。アイデア、テクノロジー、ビジネスモデルなどを外部のステークホルダーと共有することは、法的に重要な問題が生じる可能性があるからである。
  • リソースやその他の制約により、中小企業は多数のネットワークを維持することができない。中小企業のオープンイノベーション活動を促進するためには、特に。開発途上国のLiving Labsやベンチャーキャピタルなどの組織の設立が必要となるであろう。

 

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