地域とか、政策とか

地域産業、中小企業政策の成果・効果について、もやもやと考えながら綴るブログ(当面は主に論文紹介)。

中小企業へのコンサルティングサービスの影響:メキシコにおけるランダム化比較試験によるエビデンス

Miriam Bruhn、Dean Karlan、Antoinette Schoar (2013)

「中小企業へのコンサルティングサービスの影響:メキシコにおけるランダム化比較試験によるエビデンス

  

(概要)

  • 1年間の業績では、資産利益率と総要素生産性にプラスの効果が見られる。
  • 経営者は「起業家精神」の指標が大幅に増加した。
  • プログラムの数年後に従業員数と総賃金の大幅な増加が見られる。
  • すべての企業のための万能薬として、特異なメカニズムはない。

 

(詳細はこちら)

http://elibrary.worldbank.org/doi/abs/10.1596/1813-9450-6508

 

 

エビデンスからアウトカムへ:効果的なエビデンスに基づく政策とその実践を通じてアウトカムを向上させる方法

Centre for Public Impact: A BCG Foundation (2016)

エビデンスからアウトカムへ:効果的なエビデンスに基づく政策とその実践を通じてアウトカムを向上させる方法」

  

(概要)

  • 公共政策においてはエビデンスに基づく政策ならびにランダム化比較試験が注目を集めているものの、そこには未開拓となっている可能性が存在している。
  • 過去に何が機能していたかを知ることは有益だが、初期のエビデンスだけでは十分ではない。ほとんどの公共政策の成果は、文脈に大きく依存しており、同じ地域内であっても、そのまま複製することはできない。
  • 主要な関係者として学術研究者にも焦点が当てられているが、問題の追求や課題解決の試みが実務者の経験・洞察と政策立案者の判断によらなければ、たとえそれが頑強なものであっても、エビデンスの価値は限定的なものとなってしまう。
  • より包括的なアプローチが必要であり、行政セクターは、①最も有効な証拠を確認する、②エビデンスに基づいて政策の構成を決定する、③政策を実施してその影響を測定する、④.結果を評価し、それらから学び、改善するというプロセスを経ることが理想である。
  • すべての関係者が、それが有用であることを保証するためのエビデンスを共同で作成するプロセスに密接に関わる必要がある。

①需要主導:エビデンスを使用している者の疑問に答えていく。

②実用性:運用上の制約や政治的制約に敏感になる。

③理解可能性:容易に理解できる形式に翻訳する。

④即時性:実際に必要なときにエビデンスが利用可能であることを保証する。

⑤費用対効果:長期的なプラス効果が最初の支出を上回る。

⑥妥当性:外部および尊重された組織によって検証され承認される。

 

(詳細はこちら)

www.centreforpublicimpact.org

 

クリエイティブ・クレジット:ランダム化比較試験による産業政策の検証

Morley and Nicola Rathbone (2013)

「クリエイティブ・クレジット:ランダム化比較試験による産業政策の検証」

 

ランダム化比較試験を用いて資金提供プログラム(産業政策)の成果・効果を検証した貴重な研究。効果はあくまで短期的で継続しない、というのは日本の様々な制度にも言えそうではあるが現状は現場レベルでの感覚的な印象でしかないというジレンマ。

  

(概要)

  • クリエイティブ・クレジットを獲得した企業は、クリエイティブ・プロジェクトが完了してから6ヶ月で、イノベーションと売上の成長が短期的に向上した。
  • しかしながら、プラスの効果は持続せず、12ヶ月後には、クレジットを受け取ったグループとなかったグループの間に統計的に有意な差はなかった。

 

(詳細はこちら)

www.nesta.org.uk

 

 

 

ビジネス・アドバイスの価値

Kevin Mole (2016)

「ビジネス・アドバイスの価値」

  

(概要)

  • 「より教育されたマネージャー」と「より大きな課題に直面しているマネージャー」は、支援を求める可能性が高い。但し、積極的に支援を求めることを促すためには、一般にトリガーとなるようなイベント等が必要である。
  • アドバイスを行うものと企業の間においては、彼らが関係を構築する必要があることをよく理解しているとき最も効果的なアドバイスが可能となる。
  • ビジネス・アドバイス経済的利益をもたらすだけでなく、社会的および心理的能力にもメリットを追加しうるものである。

 

(詳細はこちら)

https://www.enterpriseresearch.ac.uk/wp-content/uploads/2016/05/ERC-ResPap44-KMole.pdf

 

 

起業家の支援ニーズを満たす:援助プログラムは効果的か?

Juita-Elena Yusuf (2010)

「起業家の支援ニーズを満たす:援助プログラムは効果的か?」

  

中小企業に専門家の助言・指導を受けさせようという政策的な取り組みも伝統的に行われています。最近だと、ミラサポの専門家派遣もそうでしょうし、起業家にメンターを伴走させるような支援プログラムも多数存在しています。

そもそも「支援」は意味あるものか。あるいはどのような支援が効果的か。相性とかいろいろありそうで、なかなか成果・効果の検証は難しそうではありますが。

 

(概要)

  • 支援プログラムは起業家の支援ニーズに対応する時間のうち26%が有効であった。しかしながら、起業家自身は効果が欠如しているのにもかかわらず、支援が価値あるものと認識し続けていた。
  • 起業家の支援ニーズに関して、潜在的なものと顕在的なものとの間に不一致が存在している可能性がある。政策立案者やプログラム管理者たちは、「正しい」起業家ニーズが満たされていることを確認することに焦点を当てるべきである。

 

(詳細はこちら)

http://www.emeraldinsight.com/doi/pdfplus/10.1108/14626001011041283

 

 

資金の価値とは?フランダースにおける公的研究開発補助金に関する新たなミクロ経済的エビデンス

Dirk Czarnitzki, Cindy Lopes-Bento (2012)

「資金の価値とは?フランダースにおける公的研究開発補助金に関する新たなミクロ経済的エビデンス

  

(概要)

  • 補助金はクラウディングアウトを引き起こしていない。
  • 補助金効果は時系列的に安定している。
  • 補助金以外の補助金の交付を受けていても、その効果は低下しない。
  • 繰り返し補助金を交付しても、その効果の大きさは低下しない。

 

(詳細はこちら)

econpapers.repec.org

ビジネス・インキュベーションにおける問題とは?文献レビューと理論化の提案

Nicholas Theodorakopoulos, Nada K. Kakabadse, Carmel McGowan (2014)

「ビジネス・インキュベーションにおける問題とは?文献レビューと理論化の提案」

 

(概要)

  • ビジネス・インキュベーションの有効性に関する文献においては、定義の不一致性、断片化、概念的根拠の欠如など複数の欠点を有している。
  • ビジネス・インキュベーションに関係する無形の要素や、そのような要素を組織化し調整するうえでのビジネス・インキュベーション・マネジメントの決定的な役割の重要性を鑑みれば、理論化の試みはそれらの要素・役割を見通すうえで役に立つことが示唆される。

 

(詳細はこちら)

http://www.emeraldinsight.com/doi/pdfplus/10.1108/JSBED-09-2014-0152